~日々のしまだより~
ユマニチュード
ユマニチュード(Humanitude®)とは何か
ユマニチュード(Humanitude®)とは、認知症の人のケアをするためのフランスのイヴ・ジネスト氏によって開発された新しい方法です。
この方法は、認知症の人に魔法をかけたように効果があると言われることがあるようです。(もっとも日本でも、名称はつけなくとも、既にこのようなケアを実践されている人は多くいるでしょう)
ユマニチュードは、見る、話しかける、触れる、立つという4つの方法が柱となっていて、全部で約150もの技術があります。
認知症ケアの矛盾
認知症の人が病気で入院したり施設に入所したりする場合、生活環境が変わり、入院や入所の理由が理解できないために混乱することが多く、抵抗して暴れたり治療を拒否することも少なくありません。
そのため、病院や施設は、やむを得ず認知症の人を拘束したり鎮静剤を使ったりすることもあるようです。しかし、そのような方法で認知症の人が体を動かせなくなると、全身の機能が低下して、治療しているのに全身状態が悪くなるという矛盾を招くことになります。
これでは、認知症の人だけでなくケアをする職員も心が折れてしまいそうです。
ユマニチュードの効果
フランスの病院では、ユマニチュードを導入した結果、薬の使用を減らせたり、職員の負担が減って退職者が減る等の効果も出ているそうです。治療を拒否していた人が素直に治療を受けるようになり、職員に対して言葉を荒げていた人が、「ありがとう」と言うようになったという報告もあるようです。
ユマニチュードは時間が掛かる方法のようにも見えますので、業務に追われて忙しい職員が実際にこの方法を使えるのだろうかと疑問を感じるかもしれません。しかし、ユマニチュードにより認知症の人と良好なコミュニケーションを取り、人格を大切にしてケアすることで効果が現れると、認知症の人も職員もかえって負担が軽くなるわけです。
ケアの方法を変えただけで認知症の人も職員も共に変われるとは、とてもすばらしいことではないでしょうか?
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